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ふがいない僕は空を見た

日曜日にテアトル新宿にもう一度行ってきました.前は2日目の日曜日の夕方でしたが,その時よりもお客さんが増えていたようでなんだか嬉しかったです~.

女性監督タナダユキさんの作品という刷り込みもあったのかもしれませんが,とても女性的な視点や感性,優しさに溢れた作品だなと感じました.いい面も悪い面も全部見せると言い方がいいのかわかりませんが,有り様を美化することなく,はたまた偽悪的に見せることなく,そのまま見せていく.時には,話の流れが見えなくなったり,結局なんだったのよ,と言いたい気持ち湧いてはくるけれど,どこかほんわかと落ち着くべき所に,登場人物たちを迎えていくところに,信念みたいなものを感じたのでした.

例えば,あんずとのセックスに翻弄され,その関係が思わぬ形で町中にその関係が公表されてしまった卓巳.高校生と言う彼の年齢ではしょうがない気がしますが,好きになってしまったあんずを幸せにすることもできないし,立ってしまった噂に打ちひしがれるだけのふがいない存在.でも,彼は助産師の母を身近で見てきて,女性の弱さや労わりの仕方をその体で知っている.痛みを和らげるマッサージが上手かったり,仙骨をあっためること知ってたり.さりげなくいいところがそろっと提示される.卓巳のセックスは勿論上手じゃなくて,その上早くって,全くエロくもカッコよくないんだけれど,でも,その一生懸命さと柔らかそうな肌は思わず抱きしめたくなるチャーミングさにあふれている.

一方,3人目の主人公と言ってもいい福田くんは,放蕩で金にもだらしない母の代わりに,祖母の面倒を見て,アルバイトで家の家計を支えるすっごいいい子で,でも,心の中には彼なりの屈託はあり,それが窮地に陥っている卓巳を追い詰めるような真似を無邪気にやってしまうような深みのある人物像が描かれている.でも,そんな彼が卓巳の母からもらったお弁当を捨ててしまってから,どんどん金銭的に追い詰められ,食べるものすらもなくしていく.それは,正直,彼のせいでは全然なくいわば被害者なんだけれど,彼のプライドが,やせ我慢が彼の苦しみを呼び寄せてしまったんじゃ?というようにも思え,実はやっぱり彼もふがいないのだと分かりにく~く表現されているようにも思う.

同じ団地の虐待されている子に声をかけた福田くんがその子に「触るな,へんたい!」と罵倒され,何かほの暗い表情で,彼女の足元にチョコを置くシーン,最初に見た時には飄々と頑張る福田くんに注目していたので,なぜ,この,原作では福田くん編の初めの方にある,シーンが福田くん編のラストシーンなのかとても不思議だった.たぶん,この女の子は恵んでもらった弁当を捨ててしまってた頃の福田くんなんだろう.でも,自分が追い詰められいること,人の助けが必要になっていること,プライドよりもそれを思い知ることが大事なんだと,そしてお腹と心をちょっとでも満たすための食べ物が必要なんだと,苦い思いで知ったのだろうと思う.

そんな風にあれこれちょっとした輝きとトゲを重ねながら,最後に卓巳が登校して,その後を用心棒のように福田くんがついていき,あんずが何か心に秘めた凛とした表情でひとり電車に乗り込む,というようにお話は終わる.どこに行くのかそれはわからないままお話は終わる.でも,ちょっとだけ気持ちは暖かくなっている.そんなところが私はとても女性的だと思ったのでした.
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