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映画「飛べ!ダコタ」感想:大枠編 その1

昭和21年新年。雪の佐渡にイギリスの軍用機、通称「ダコタ」が不時着した。村長はじめ村の人々はとまどいながらも力を合わせ、ダコタが再び飛び立てるよう心を尽くし、協力を惜しまなかった。終戦よりわずか5カ月のこと。当然、佐渡の人々にも、助けられたイギリス兵にも、様々な憎しみやわだかまりがあった。しかし、その過程で少しずつ心を通わせ、ダコタは佐渡の海から飛び立つことができた。この驚くべき事実を下敷きに描かれたドラマが「飛べ!ダコタ」。

佐渡の人々の団結力、そして敵であっても受け入れる優しく温かい心、その結果、達成された大きな出来事(村人をあげて佐渡の砂浜にダコタが離陸できる滑走路を造り出した)に注目が行きがちな本作。でも、私がこの話が魅力的に感じるのは、これらの「佐渡の人々の素晴らしさ」が、よい面でも悪い面でも日本人の根本的なあり方であること映しだしており、そのこととと日本が行った戦争と不可分であることを、とても端的に、見取り図のように、わかりやすく見せていること。

不時着したダコタへの対応を佐渡の村に丸投げする県。乗り気ではないが一旦村長が決断すれば右へ倣えの村の顔役たち。村人たちも敗戦で変化した上のやり方に疑問をいただくものは数少なく、疑問や反感を持つ者は村から孤立してしまう。大事なのは村のキーパーソンが何を言うか。そして、キーパーソンである消防団長の決断は村全体を動かすけれど、労力を提供しても金銭を欲しがるものはいないと勝手に判断してしまう。

でも、それだからこそ、共同体の美しい姿が立ちあがるのよね。この映画で一番好きなのは、暴風大波のノロが来るので、村の衆が総出でダコタを浜の高いところに引き上げる場面。男衆が総出で力を合わせダコタを引き上げ、女衆はその裏で炊き出しをする。ニートになってしまったデキのよかった息子のことを気に病んで、外に出て来れなかった母もこの期に共同体に戻り、村人もなんのわだかまりもなく迎える。みんなで汗を流した後は一緒にご飯を食べ、その成果を喜び合う。

またね、その時に、ダコタのキャプテンのイギリス軍人さんが、西欧人らしくきちんと感謝のスピーチをするのね。感謝の想いを順序立てて、きちんと説明していくの。で、一方、我らが消防団長は日本人らしく、そのあたりのきちんとした説明はすっとばして「わかる!。みんなもそうやろ?」みたいなことを言うのね。そのあたりの文化の違いを、わかり合い方の違い、でも、わかりあえる。その描き方も本当によかったなぁ。そんな同じことの裏表、良い面悪い面を丁寧に積み上げて行く映画なんだな。

で、その矛盾した面を持っている佐渡の、日本のあり方の、一番の歪みをあぶり出すのが窪田くん演じる健一と、蛍雪次郎さん演じる村の校長先生で、またこの下りがいいんだなぁ。ということで、続きはまた明日!
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拍手コメントをくださった方へ

拍手コメントをくださった方へ!

本当にありがとうございます!ダコタ、たくさんのテーマがミニマムだけれど、薄さを感じず、きちんと大きな図が見えてくる作りになっているところにとても感心している次第です。

きっとそれは今回のキャストの方々の演技の素晴らしさというか、さりげない深さによるところも大きいのでしょうね。そんなところもおいおいと書きたいと思います。ちょっと感想遅れるかもしれませんが、またぜひ、よろしくです!

No title

ダコタ、子供たちも連れて見に行きました。上の子にはいい勉強になったようです。いい映画でしたよね。

私が一番よかったなあ、と思った点は、戦争物にありがちな、すべて「日本軍が悪い」という結論に落とすことが無かった点。
高千村の村長の「戦争を起こしたのはあんたら(村のおばちゃんたち)じゃ。わしらみんなが日本を戦争に向かわせた。そのことをきちんと反省せんと、新しい時代には進めない」といった言葉にすごく感動しました。
物資も人員も技術も全てにおいて劣っていた日本を戦争に突入させた軍の見通しの甘さはもちろん、追及されて然るべきですが、軍人も、召集された民間兵士たちも、日本を守るために必死だったことだけは理解したい。
木村健一くんが合格したという江田島の海軍士官学校。
今は、記念館として見学できるようになっていて、OBの方が案内してくれます。戦死した方の手記や辞世の句や遺影などもたくさん展示されています。私が行ったときのOBさんは、明るく冗談を交えながら案内してくださいましたが、最後に「私は戦争を肯定する気はさらさらない。けれど、日本が外国に占領されないように、愛する家族を守るために、命を懸けて戦ったこの方たちを愚弄することだけは許さない」とおっしゃいました。
木村健一の気持ち、健一を闇の世界に誘う青年の気持ち、団長さんの気持ち、すごく胸に沁みました。

すみません、めちゃめちゃ長くなって。仕事柄、年配の方と接することが多くて、戦争のことはたくさん話を伺ってるもので、ついつい熱くなってしまって。このような悲しく辛く、やり場のない怒りを抱えて生きていかねばならないような時代は繰り返してはならない。心の底から思います。

No title

もんちっちさん、こんばんわ~。コメントといいますか、ダコタの感想、本当にありがとうございます!いい映画でしたよねぇ。油谷監督の初の映画作品で、色々あって公開が遅れに遅れた映画だけあって、映画全体はほっこりとした雰囲気なのに、深いメッセージも、キレもちゃんとあって、よく練られた作品だなぁと思いました。

その最たるとことがおっしゃるように戦争へのスタンスですよね。もんちっちさんが書いていらっしゃるように戦争を体験した年配の方々がいまだにやり場のない怒りを、それは単純な反戦的な見方でも、あの時代を美化する立場だけでも、解消できないものを、すごく繊細に描いてくれているなぁと思います。柄本さんの村長さんのその言葉もそうですが、意外とこれまでの戦争ドラマでは聞けなかった台詞がたくさんあるような気がします。同じのを逆の立場から、健一が「時代が、みんなが、自分の背中を押した。でも、踏み出したのは自分なんだ」って、これもまた凄いセリフだなと思いますよ。

最近はダコタについてのインタビューが色々出てて、かなり具体的で、深いリサーチや考察に基づいた、自分なりの見解を窪田くんには珍しく(ってごめんなさいw)、おっしゃているので、感動してるんですが、それは、やっぱりこの時代の本当に辛い思いをされた人たちの気持ちを窪田くんが理解したいと思ったんだろうなぁと思うんですね。

でも、もんちっちさんのお仕事、素晴らしいですね。多くの人には言えず、もう歴史のかなたに消えてきそうな、でもまだ自分の中にはしっかりと残っている思いを受け止めていらしゃるの。そんな熱い思いで聞いて貰える状況をもんちっちさんが作っているの、本当に凄いなぁと思います。またよかったら聞かせてください!
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