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飛べ!ダコタ感想:大枠編 その2

窪田くん演じる木村健一は村きっての秀才で、おそらく主人公の千代(比嘉愛未さん)の許嫁のような存在で、広島は江田島の海軍兵学校に入学したのにも関わらず、在学中の訓練で足に重傷を負い、村に戻り、そのまま終戦を迎えたものの、鬱々とした日々を送る青年。彼が鬱々とした日々を送るその原因は色々あって、不自由になってしまった足のこと、期待のホープから一転、戦争にも行けずプライドが大きく傷ついたこと、もちろん同期の若者たちが戦死していったことへの哀しみと(おそらく)怒りと取り残された悔しさ。

他にも、彼が受けて、彼がその道を歩こうとしていた教育や信念が敗戦を機に軽々と覆ってしまったことにも強くとらわれている。戦時中、こう生きよ、こう死になさいと教えられ、窮地に陥っていていた日本のために命をささげてきた健一。実際に、多くの若者が戦場で命を落としているのに、それを教えていた、学校が今は世界の友好が大切と焚きつけるように子どもたちに子どもたちを教えている。同様に、村のほとんどの大人も、その変化を受け入れ、数年前のことを忘れてしまったようにふるまっている。戦争のお化けなんて誰が、どの口で言うのか。でも、笑顔がないのは、生きる道が見つからないのは、取り残された自分たち。

そんな青年たちとは対象的に振舞うのが、村の小中学校の校長役の蛍雪次郎さん。新時代の、友好的な子どもを育てるために、ダコタへの援助を子どもたちに積極的に行わせる。上からの要請を精一杯果たそうとする優秀な大人。子どもに行くべき道を教え、子どもに生きがいと笑顔を与える優秀な教師。でも、数年前には、同じような態度で、お国のために戦争に行くことを生きがいとするよう、子どもたちを育てた。育てた子どもたちはある者は命を落とし、ある者は教えられた信念を捨て、自分の欲望のままに生きることを選び、ある者は戦争のお化けとなってしまった。それに対する罪障の念はある、何が間違っていたのかきっと彼なりの答えもあるのだろう。でも、歩みを止めないのは、大人の無責任さなのか、逞しさなのか、責務へのプライドなのか。

こんな風に、この話には、世のために、上からの要請も精一杯果たそうとする優秀で、よい人たちが、迷い、心に重い物をためていく様子が丁寧に描かれている。超然とした風情で村をまとめる柄本明さんの村長も同様の存在だ。人間こう生きて行くべきという上からのヴィジョンなんぞ、共同体の中で生きる人には関係はない。でも、その共同体と上を繋ぐ役割を背負った男たちはまじめにその課題に取り組む。そして、上と共同体のはざまで孤独を抱える。健一が孤独でなのは、彼が海軍兵学校のような国と直結する場所に飛び込み、、そういう課題をプライドを持って背負おうとしたことそのことに根源があるのじゃないだろうか。最後、健一が地元で臨時教員になろうとすることである意味校長や教育を許すのは、そうした男たちの孤独への理解と、その孤独に打ち勝つためには共同体に帰っていくことしかないとわかったからなのかもしれない。

うーん、上手く書けないけれど、健一の孤独と対比的に描かれているのが、村の女たちの包容力にみちた生き方なのだろうなということで、次には比嘉さんの千代ちゃんをはじめ女優さん達(堀口さんってやっぱり天才なんだなぁ)の素晴らしい演技とそこから溢れるものを書けたらなぁと思います。
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No title

長ったらしいコメントにもご丁寧にお応えくださって、本当にありがとうございます;;調子に乗って、ごめんなさい;;
ずーっと前に、アルゼンチンとイギリスがフォークランド紛争を起こし、すわ、第三次世界大戦かと騒がれたの、覚えていらっしゃいますか?(年齢がばれる;;)
あの戦争終結後、帰国したイギリス兵があるインタビューに答えてました。「我々は、国のために死を覚悟で戦ってきた。だが帰ってみたら、まるで戦争なんかなかったように、若者がパブでにぎやかに酒を飲み、極普通の生活を送っていた。我々は何をしていたんだろう。空しくてたまらない」
ダコタを見たとき、ふと、このイギリス兵が思い浮かびました。
健一とは少し状況が違うけど、佐渡は直接的な戦火の被害はなかっただろうから、風景は何も変わらない。変わったのは自分の立場と村の人たちの自分に対する見方(自分の思い込みもあるけど)。
健一の辛さは計り知れないものだったでしょうね。
その感情を、余すところなく表現したマサ君、ほんとによかった。
もっともっと、彼のことを描いてほしかったですよね。
ところで、ダコタ乗組員の一人(健一と格闘になった人かな?千代ちゃんに美しいとか言ってた)と千代子と健一のチョビ三角関係は、全くもってカットでしたねえ。公開前のあらすじには書いてあったのに。
ちょっと残念。

No title

もんちっちさん、こんばんわ~。今日は早朝から出かけていて、お返事遅れてすみません~ん。私は長文コメント大好きですーー。よかったら、またいつでも書いてくださいね!

おっしゃるように、佐渡に直接的な被害がなかったから、余計に健一や清さん立ちの無念は大きかったんじゃないかと思いますよ。美しい故郷を守ったはずなのに。また、故郷が焼け野原になっていたら違ったんでしょうけどねぇ。

私は事前の情報をほとんど知らなかったので、たまに出てくる千代と健一の許婚設定から、あー、当初はふたりの経緯がもっとあったんだろうなぁとうすうす感じていたんですけど、本当はそんな話もあったんですねぇ。いや、そのあたりも見たかった!

とはいえ、今のダコタの、窪田くんの、健一の扱いは、あの分量だから、嫌みのないインパクトが残せたのかなぁと思いますねぇ。彼の孤独もよくわかったし。背景もよく読みとれたし。

なので、ディレクターズカット版とか、窪田くん大フューチャー編とかも見たいなぁ。作ってくれないかしらですねww

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